現在ケアマネとして働いている人、ケアマネ資格を活かした仕事に興味がある人でこんな悩みはありませんか?
- 居宅ケアマネや施設ケアマネで働くのは大変
- 肉体的・精神的な負担を減らした仕事がしたい
- ケアマネ資格を活かした仕事がしたい
40代・50代になると、子育てが落ち着き、自分の時間が持てるようになると、このまま今の仕事を続けようか・・・。
働き方について、考えることがあるのではないでしょうか。
しかし、年齢を考え新しいことに挑戦したり、転職に迷う人もいると思います。
そこで、今後の働き方の参考となる、ケアマネ資格で働けるおすすめの職種について解説していきます。
ケアマネ資格を活かして、自分に合った働き方を選びましょう!
ケアマネ資格とは?
記事中のケアマネ資格は「介護支援専門員実務研修受講試験(ケアマネジャー試験)」に合格し、実務研修修了後に各都道府県に登録している人です。
ケアマネ資格で働けるオススメの職種8選
ここからは、具体的な職種8選をご紹介します。
実際に私の経験した職種、ケアマネ資格を持ち転職した人の職種もありますので、現実的な転職事例としてご覧いただけると思います。
過去の経験から考えた、職種ごとの「向いている人」も参考にして頂けると幸いです。
介護予防プランナー
地域包括支援センターに所属して、要支援1.2の人の介護予防プラン・総合事業の介護予防サービスのプラン作成などをする仕事です。
担当件数の上限は120件ですが、件数は所属先によって異なります。
私の住んでいる地域では、平均70件担当されていました。
その他の業務は、本人・家族との定期面談、モニタリング、担当者会議などケアマネジメントを中心に行います。
向いている人
・主任ケアマネを目指したい人
・経験や実績を作り、スキルアップしたい人
・多くの人と関わる仕事がしたい人
地域包括支援センターは地域に暮らす高齢者の総合窓口なので、相談や困難事例、研修など仕事が多岐に渡ります。
最初は覚えることも多く、慣れるまで大変なこともあるでしょう。
しかし、様々なケースを担当し経験を重ねることで、知識が増え問題を解決できる力が確実に付きます。
次に転職しても、地域包括支援センターで働いた経験と知識は、必ず役立つでしょう。
主任介護支援専門員の受験要件は、下記をご覧下さい。
【主任介護支援専門員の概要】
https://www.cao.go.jp/bunken-suishin/kaigi/doc/teianbukai95shiryou04_2.pdf
引用:内閣府ホームページ
地方自治体職員
地方自治体職員として、介護保険制度に関わる事務を行う仕事です。
要介護申請の受付、要介護度を決める介護認定審査会、事業所に対する運営指導、市民からの問い合わせなど、業務範囲は幅広く、配属される部署によって違うでしょう。
雇用形態は自治体ごとに、会計年度任用職員・日給など異なり、雇用期間が決まっていることもあります。
一般的に4月採用が多いので、早い自治体だと9月から募集が始まります。
興味のある方は、各自治体のホームページ、広報誌、ハローワークで探してみて下さい。
向いている人
・安定した職場で働きたい人
・決まった時間働きたい人
・介護保険制度を深く勉強したい人
私は地方自治体で11年働いた経験があります。
自治体で働く以前は、在宅と特養のケアマネ経験があり、過去の知識(介護保険制度・ケアプラン作成など)が役立ちました。
住民・介護サービス事業所・介護保険の仕事が浅い自治体職員から、介護保険制度の質問を受けることもあり、制度の知識が広がるでしょう。
介護認定調査員
介護認定に必要な要介護度を決めるための、調査をする仕事です。
介護申請をした人の自宅に訪問し、介護認定に必要な項目の聞き取り調査を行います。
訪問調査をするために、介護申請をした本人・家族との日程調整、調査後に調査票を作成し提出するまでが仕事です。
報酬は、調査件数(一件○千円)、時給、日給、月給など地方自治体、または委託している事業所により異なります。
向いている人
・初対面のコミュニケーションが得意な人
・時間管理ができる人
・文章を書くことが好きな人
私が働いていた自治体の報酬は「調査件数一件につき○千円」で、一ヶ月の件数は、おおよそ50件程度でした。
調査員自身で日程調整、直行直帰、調査票の作成など、自宅・事業所と選べることが可能な働き方もあります。
スケジュール管理や調査票の作成を難しく感じるかもしれませんが、調査員も複数名いますので、先輩に聞くこともできるでしょう。
生活相談員
デイサービスや介護施設を利用する本人・家族を支援する仕事です。
本人・家族からの相談、新規利用・入退所手続き、契約、他職種との連絡調整・連携、計画書作成など、オールマイティに仕事をこなします。
向いてる人
・フットワークが軽い人
・協調性があり、人の話を聞ける人
・マルチタスクに出来る人
生活相談員とケアマネは何が違うの?と思われた人もいるでしょう。
違いは保有資格・仕事内容・勤務先が違います。
保有資格
・ケアマネジャー:介護支援専門員
・生活相談員:社会福祉士・精神保険福祉士・社会福祉主事(※自治体により生活相談員の要件が異なる場合があります)
仕事内容
・ケアマネジャー:ケアプラン作成、関係機関との連絡・調整、介護保険に係る事務
・生活相談員:利用者・家族の相談支援、外部機関・事業所内の連絡調整
勤務先
・ケアマネジャー:居宅介護支援事業所、介護保険施設、グループホームなど
・生活相談員:デイサービス、介護保険施設、ショートステイなど
違いをまとめると、ケアマネジャーは介護保険に関する業務を行い、生活相談員は利用者の生活支援に係る仕事です。
生活相談員の仕事は多岐に渡りますが、利用者の身近な存在として支援することができます。
在宅医療介護推進コーディネーター
医療・介護関係者、地域包括支援センターなどから、在宅医療・介護連携に関わる相談を受ける仕事です。
コーディネーターとは、色々な要素を統合したり調整したりして、一つにまとめ上げる係を意味します。
地域の医療・介護関係者と連携・調整し、在宅医療と介護が必要な高齢者が住み慣れた地域で、安心して暮らせる体制作りをサポートします。
向いている人
・話をまとめて提案することが得意な人
・サポートすることに喜びを感じる人
コーディネーターの仕事は、ケアマネ業務にある他職種連携、連絡調整などと近い内容なので、経験を活かすことができるでしょう。
福祉用具専門相談員
福祉用具を使う人に、身体状態と生活環境に合わせて、福祉用具を選定・提案する仕事です。
介護保険で購入・レンタルできるベッドや歩行器など、利用者の病気・生活環境から、最適な福祉用具の提案。身体機能を改善する自助具、家族の介護負担を軽減する介護用品のアドバイスがあります。
ただし、福祉用具専門相談員として働くには以下の条件があります。
- 介護関連の国家資格を持っている:介護福祉士、看護師、社会福祉士など
- 福祉用具専門相談員研修を修了している:50時間の講習を終了し、筆記試験を受ける
資格要件は、下記を参照して下さい。
【よくある質問】
引用:一般社団法人 全国福祉用具専門相談員協会
向いている人
・誰にでもわかりやすい説明を心かけている人
・提案することが得意な人
福祉用具の搬入・設置など力仕事もありますが、多種多様な福祉用具の知識、使用者の生活を支える視点は、ケアマネ経験が活かせるでしょう。
介護関係講師
介護職員初任者研修、ケアマネ更新研修など講師のお仕事です。
介護職員初任者研修・ケアマネ更新研修の講師をするためには、一定の要件や経験年数が必要になります。
他にはケアマネ受験対策講師の求人もあります。
介護職員初任者研修の、講師資格要件は下記をご覧下さい。
- 医療・福祉系の学校で関連、類似科目を教えている教員
- 介護業務に5年以上従事し、訪問介護員養成研修1級課程修了者・介護職員基礎研修課程修了者・実務者研修修了者・介護福祉士、その他同等の能力を有する者
ケアマネ更新研修の講師募集については、各自治体や委託先によって違います。
向いてる人
・人に伝えることが好きな人
・勉強に意欲を持って、スキルアップできる人
現場のリアルな声は、受講生が興味・関心を持って話を聞いてくれるでしょう。また、将来現場で働いた時、役立つ知識に繋がると思います。
産業ケアマネジャー
企業と従業員の架け橋となり、仕事と介護が両立できるお手伝いをする仕事です。
具体的な仕事内容の前に、産業ケアマネができた背景に触れておきます。
それは、社会問題となっている「介護離職」にあります。
介護離職者に関する調査内容【令和4年就業構造基本調査 結果の要約】
https://www.stat.go.jp/data/shugyou/2022/pdf/kall.pdf
引用:総務省 令和4年就業構造基本調査(p28)
令和4年就業構造基本調査(総務省)によると介護・看護で過去一年間に、前職を離職した人は10.6万人。5年前に比べ1万人増加、2017年から2022年にかけても増加しています。
上記の背景によって、産業ケアマネジャーの資格が創設されました。
産業ケアマネジャーの仕事内容は、従業員の介護相談、部署移動・時短勤務の提案など。会社の制度と、介護サービスを組み合わせたアドバイス、プラン作成をします。介護の知識に加えて、会社の制度の勉強も必要です。
産業ケアマネになるための方法をお伝えします。
※産業ケアマネは民間資格です
産業ケアマネの資格取得には「ケアマネジャーを紡ぐ会」が行う認定試験に合格しないといけません。
引用:一般社団法人日本単独居宅介護支援事業所協会 ケアマネジャーを紡ぐ会
3級・2級・1級があり、3級の受験資格には介護支援専門員の資格が必要です。試験は年2回実施され、当面は3級のみ実施予定です。
向いてる人
・新しいことにチャレンジしたい人
・ステップアップしたい人
実際、資格取得後に産業ケアマネとしての働き方は、確立されていません。
しかし、調査結果から介護離職者が増加している背景によって、産業ケアマネは、今後求められていく働き方となるでしょう。
新しい資格で、産業ケアマネとして働くハードルは高いですが、従業員の介護問題を解決し、会社の離職者を減らすことで、社会貢献できる重要な仕事です。
ケアマネ資格以外で仕事を選ぶ
保有資格で働く
看護師・介護福祉士・社会福祉士など国家資格を持っている人、実務経験を重ねて資格取得した人など、元の職種への転職もあります。
・もっと患者や利用者の近くで関わりたい
・医療や介護現場で、新しい知識・技術を磨きたい
ケアマネを経験したからこそ、現場の良さが見えることがあります。
身体的に不安や問題がなければ、医療や介護現場で、患者や利用者と過ごす時間を増やす選択肢も良いでしょう。
保有資格を活かした異業界への転職
医療や介護業界以外で、ケアマネ資格や保有資格を活かした仕事を考えたことはありませんか?
・新しいことにチャレンジしたい
・保有資格や経験が役立つ仕事がしたい
と思っている方に、仕事を3つご紹介します。
ブログ運営・Webライター
医療や介護などの知識を活かして、自分でブログ運営をしたり、依頼された記事執筆をする仕事です。
- ブログ運営:自分でブログを立ち上げる・無料ブログで記事を書く
- Webライター:企業と契約し依頼された記事を書く
インターネット上には、医療や介護関係の記事があふれています。
保有資格やケアマネ経験を活かして、新しい業界にチャレンジしてみるのも良いでしょう。
はじめからお金を稼ぐことは難しいので、副業からのスタートがおすすめです。
今後も進化するIT知識を身につけることで、変化に対応できる力がつきます。
老人ホーム紹介センター
本人・家族の希望に添った、老人ホームの相談・紹介・サポートする仕事です。
相談者の収入に応じた施設紹介、病院訪問、入居までの手伝いなどをします。
特に在宅ケアマネ経験がある方は、アセスメントや介護施設の知識が身についているため、仕事をスムーズに始めることも可能でしょう。
相談支援専門員
障がいを持つ利用者・家族が自立した生活を送れるよう、サービス利用のサポートをする仕事です。
- 生活相談、情報提供、アドバイス
- 利用計画書の作成、医療・福祉など関係者の連絡・調整
相談支援、必要なサービスの提案、連絡・調整の仕事内容は、ケアマネと共通しています。
相談支援専門員と、ケアマネの違いは何かというと・・・
支援対象が違います!
介護支援専門員:介護保険制度の対象者で高齢者や介護が必要な人
相談支援専門員:障害者総合支援法に基づいて、障がいを持つ人のサービス利用を支援する
その他にも、働く場所が介護支援専門員は「居宅介護支援事業所・介護保険施設」、相談支援専門員は「相談支援事業所」になります。
相談支援専門の資格取得は、
必要な実務経験を満たし、相談支援従事者初任者研修に修了することが要件になります。
相談支援専門員の要件・実務経験・研修制度についてまとめた参考資料です。
https://www.mhlw.go.jp/content/11704000/000739986.pdf
引用:厚生労働省「計画相談支援のしくみ」
対象者・取り扱う制度・サービスは違いますが、介護保険利用者の中に、障がいを持っている方もいるので、知識が役立つことも多いでしょう。
その他の転職
保有資格とは全く関係ない、一般企業への転職、新しい資格取得(介護福祉士から社会福祉士など)、ケアマネから主マネへのスキルアップやステップアップ。
選択肢は、読者の方の自由です!
「全く別の仕事がしてみたい」「スキルアップして仕事の選択肢を増やしたい」「現状維持がいい」
どの選択肢も間違いではありません。
失敗しない就職・転職をするために、どんな仕事があるか知ることが大切です。
どんな仕事があるかを知らないと、選ぶことすらできません。
今回の記事を読んで気になる職種があれば、今後の就職・転職活動の参考にして下さい。
まとめ
この記事では、ケアマネ資格で働ける職種8選と、ケアマネ資格以外の働き方をご紹介しました。
資格を活かした仕事はあり、ケアマネ資格以外の働き方もあります。
大切なことは、自分に合った働き方を選ぶことです。
みなさんが、細く長く続けられる仕事を見つけることを、心から願っています。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。